設立登記手続とは
旧商法から会社法への移行によって、法人の設立手続関係では、最低資本金制度の見直しや発起設立における払込金保管証明制度の廃止等の改正が実施されています。現行の会社法における設立手続の流れは以下のとおりですが、各項目について詳解していきます。
1.類似商号の調査
類似商号の調査とは、登記前に本店予定地の法務局で同一や類似する商号がないかを確認する手続です。
旧商法で規定されていた、「同一市町村内においては同一の目的のために他の者がこれと同一・類似の商号を登記することができない」という類似商号規制は廃止され、会社法では、同一商号、同一事業であっても同一住所でない限り規制は受けません。ただ、既存の同一商号の会社がある場合には不正競争防止法による損害賠償等のリスクがあるため、類似商号の調査は必要です。
2.定款の作成
定款の内容は絶対的記載事項と任意的記載事項に分かれますが、絶対的記載事項は、@会社の目的、A商号、B本店所在地、C発行可能株式数の4項目になります。
定款の目的の文言については、旧商法の類似商号規制があったときほどの厳密さは求められませんが、下書きの段階で法務局の窓口で相談したほうが無難だと思います。
その他についてはひな型に当てはめる方法であれば、定款の作成はさほど困難ではありませんが、特に任意的記載事項のなかには、設立後の会社運営の戦略上重要な選択をすべき項目が含まれていますので、最低限の検討は必要になります。
※ 定款作成の考え方については、「定款の作成」と題するコラムで書いていますので参考にしてください。
3.定款の認証
定款の認証は公証人役場で行います。本店所在地と同一都道府県であれば、どこの公証人役場でも受付けてもらえます。公証人役場保存用(4万円の印紙の貼付が必要)、登記用、会社保存用の3通と発起人全員の印鑑証明書を用意する必要があります。認証を代理人が行う場合には委任状が必要となります。行政書士や司法書士に依頼して電子的に認証を受けることができますが、この場合には4万円の印紙は必要なくなります。
4.資本金の払込
冒頭でも書いたとおり発起人設立であれば、金融機関による払込金保管証明書は不要となっています。発起設立の場合の手続の留意点は以下のとおりです。
@ 発起人はあらかじめ定めた発起人個人の普通預金口座に現金を払い込みます。この場合の口座には特に制限はありません。
A 払込のために新しい個人口座を開設する必要はありませんが、登記手続のために作成する払込証明書の内容を明確にするため既存の口座を使用する場合にはいったん残高をゼロにする。
B 払込は通帳の摘要欄に名前が印字されるように、現金入金処理ではなく、振込処理で行う。
C 当然ですが定款に記載されている資本金額と振込金額は一致させること。
※ 払込証明書は、払込を受けた金額の総額、払込があった株式数、1株の払込金額を記載した証明書の書式に通帳の表紙、表紙の裏面、払込明細のあるページのコピーを綴じたものです。
5.設立登記の申請
設立登記は会社の本店所在地を所轄する法務局で行います。登記申請に必要な書類は次のとおりです。